|
|
|
講演する上原氏 |
「実際に被災現場を自分の目で見ることで、被災と復興の現状を実感を持って理解できる。また被災者から直接話を聞くことで、災害に対する知見が深まる。そして災害について追体験ができ、防災全般について自分で改めて考えができるようになる。したがって、一人でも多くの人たちに被災地を訪れてもらいたい。」と語るのは特定非営利活動法人神奈川災害ボランティアネットワーク(KSVN)顧問で、横浜国大客員教授の上原美都男氏。
KSVNが6月18日に開催の2012年度総会終了後、第2部として記念講演が行われた。上原氏は「被災地から学ぶ安全安心の地域づくり」と題し、被災後1年で再び岩手・宮城を訪れ、その様子を紹介するとともに、防災についての思いを示唆していた。
@田老地区の防潮堤が示すように、安全のハードウェアーはある程度有効だが、絶対ではない。ソフトウェアーでカバーすべき。それは近所同士の声掛けや頻繁な避難訓練だ。A今回の津波被害が示すように、人は過去の教訓に学ばない。教訓を忘れないようにするには、モニュメントを後世に残すこと、写真を教材にするのも効果的。モニュメントや災害現地を訪ねるツアーを企画実行することも。B
『釜石の奇跡』が実証するように、防災教育を正課授業にする。そして、いずれ国民全員が防災専門家に。C防災を一つの文化に育て上げ、「交番」が他国でも模倣されているように、「防災」も安全文化として海外に輸出を。D安全は意識的に危険な要因を克服することによってのみ、実現されるものだ。 |