トップ |ボランティア関係 |イベント・講座 |高齢者支援 |障がい者支援子育て仲間 |地域の活動 |災ボラ連絡会 ボラネット |

政令指定都市 仙台市 の災ボラセンターの役割
3・11における仙台市の被害状況と災ボラセンター運営について
顔の見える関係の強さと準備していないことはできない

 
   
 「政令指定都市における災害ボランティアセンターの役割」と題した災害ボランティア研修会が、12月11日(火)横浜健康福祉総合センターで、横浜災害ボランティアネットワーク会議、横浜市市民局、横浜市社会福祉協議会の共催で開かれた。

 講師は、政令指定都市えあり、3・11で大きな被害を被った仙台市で、市内全域の災害ボランティアセンター(以下:センター)の統括をしてきた同市社協の早川敏係長と同市中心地である青葉区のセンターを取り仕切ってきた伊藤裕さん。第1部を早川さん、第2部を伊藤さんの話、第3部が質疑応答という構成であった。

 早川さんは、冒頭仙台市の被害状況について、避難者の推移、沿岸部・丘陵地域と状況の違う被害、津波の被害、公共施設・宅地の被害状況を述べた後、同市センターについて詳細にわたって説明。社協・市・県の3者協定に続き、市・社協間の運営確認書等により、3・11以前から行政との関係づくり、センター設置場所、備品整備、マニュアル作成等進めていた。
 3・11後は、社協の人員体制上、被災状況によりセンター開設に優先づけをし、市センターと宮城野区センターを3月15日に、泉区センターを26日に、と6センターを順に開設した。地震被害に対するニーズの減少に伴い、各区のセンターを廃止し、津波センターを4月26日に2か所開設、6月には1か所に集約、これも現地のニーズ調査の結果8月10日に閉所とした。現在は「復興支援EGAO(笑顔)せんだい”サポートステーション」と名称変更し、登録制で継続対応している。

 発災当初、市センター(統括情報センター)として、確認事項の洗い出し、センター設置要請対応、開設作業マニュアル、体制づくり等を行った。行政の協力が不可欠、普段の繋がりが大きな力に、学生によるツイッター、フェイスブックなど新ツールの力、応援社協の存在などが大きく、多くの人に支えられ出来た、としていた。
 活動内容の優先順位として、@被災者の生活空間の確保、A同敷地内、B近隣、C地域といったように、個別支援から地域支援へ、とした。
 活動を振り返りとして、@準備していないことはできない組織体制の整備(マニュアル、行動計画、ツールなど)。Aヒト・モノ・情報・資金・仕組みなどについての受援体制、B幅を持たせた、臨機応変に対応できるマニュアル、役割・権限分担、C想定災害による準備、D記録、E先を見据えた対応、F被災者を中心とした支援活動、情報整理、H連携・共同、I関係者の共感などを挙げていた。
   
   

 伊藤さんは、青葉区の特徴として丘陵地域における宅地被害を挙げ、発災から3月20日センター開設までの推移、センタースタッフ、区内避難者数、個人宅から・避難所など団体からの要請に基づく支援内容について説明。
 センターとしての課題して、初動期には@活動に必要な資材の確保、A避難所とのかかわり、Bセンター開設の周知方法、Cニーズ数とボラ数のギャップ、Dひっきりなしの電話。安定期では、@ボラ活動の安全確保、A見守りネットワーク外の存在、B支援など必要な人に届いているか、C災害前からの課題としてのニーズ、D買い物支援に関すること、などを挙げた。閉所期では、@ニーズ数:がまん世帯、遠方避難者、A活動者募集など。
 振り返りとして、@知っていることが安心(顔と連携)、A地域や集団支援も、B機能重視のマニュアルを、その場・状況にあったセンター、Cニーズ調査後のセンター立上げも、D市民スタッフの力の強さ、E企業、若い力などを挙げた。
 
 質疑では、聴覚障がい者等の要援護者対応について、専門の団体等で情報を受け、ボラ派遣は行っていた。県と市センターの関わりでは、情報連携と支援の公平性の点からのコーディネート役を分担してもらった。県外ボラの受け入れ状況等について、宿泊等の問題もあり、ある時期までは県内ボラで通した、などが出ていた。