「神奈川県には17万5千人の外国籍県民が暮らしている。大きな地震などの災害が起こると誰もが不安になるが、言葉や習慣の異なる外国籍県民にとっては、さらに不安が大きくなる。災害時の外国人支援を担うボランティアには何が必要か、何ができるか、考えてみましょう」と語るのは、多文化共生センター東京の青木智弘氏。
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どんな問題があるか、出し合おう! |
神奈川県県民部国際課企画班が主催の「災害時の外国人支援講座」が3月29日、神奈川県自治総合研究センターで開催され、県内から横浜市(金沢、磯子、泉区)、平塚市、大和市、横須賀市、二宮町など外国籍を住民に抱え、当テーマに関心のあるボランティアだけでなく、行政、社協、NPOなどの関係者が参加していた。
青木氏は、外国人登録者の推移から始まり、高い確率で発生すると想定される地震、災害発生から復興までの流れを説明後、「特に地震の経験のない、言葉も不自由な外国人は情報から孤立し、不安とパニックに陥る。発災時だけでなく、避難生活において、生活再建に向けて必要とされるサポートについて皆で意見交換してください。」として、2グループに分かれ、フリーディスカッションに入った。それぞれ、課題の洗い出し、地域における資源の見直し、そしてどう解決に結びつけるか、の話し合いに入った。
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話し合い内容を発表 |
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外国人がどれだけ、どこに住んでいるか個人情報の関係もあるが、それだけでなく地域での無関心から把握ができていない、通訳・翻訳能力が不足、日本人・外国人相互に文化・習慣の違いが理解されていない、外国人には避難場所さえ認識されていない、集住地区(平塚市横内団地、泉区いちょう団地)に共通する難しさなど、いろいろ現状の問題について意見が出されていた。一方、多文化共生活動を実施したり、国際交流協会や日本語教室を持つ地域、広域的に活動している組織などあるが、それらがネットワークされていないため、もっとそういった資源の有効活用をすべき、との意見も出ていた。外国人は災害時に困るのではなく、日常(経済、労働、住居、神学、医療など)的に困っている。従って災害に強い街にするには、乗じからの支援体制、広域的ネットワーク作りと外国人に限らず、お互いに顔の見えるコミュニティを作ることに尽きるのでは、という意見が多かった。 |