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泉区歴史の会のシンポジウム
区民の3・11の状況、体験談、発災に向けた対応など
泉区に直下型地震が発生したら・・・

  泉区歴史の会の翠川宣子会長
  泉区歴史の会の翠川宣子会長
 東日本大震災から11ヶ月。泉区歴史の会(翠川宣子会長)は、「過去の災害の歴史に学ぶことは多く、今回の災害に対しても、私達の記憶が新しいうちに、体験を記録していくことの大切さを痛感」(当日の資料より)したとし、泉区役所・泉図書館後援により2月10日(土)午後、図書館で、事前(23/9/15〜12/28)に行ったアンケートの結果発表とシンポジウムを開催。予定30人を大幅に超えて、50人近くの参加者があり関心の深さがみえた。

 1)アンケートは、小学生から高齢者までが利用する泉図書館の協力と、区民施設利用者等252名から回答を得、当日の情報源・連絡手段・被害状況(帰宅までの体験)・影響(計画停電等)・震災への備えなど多岐にわたって報告された。泉区では幸い直接的倒壊・火災などの一次被害は少なく、二次的要素の交通・通信・送電・必需品等の被害が集計された。
「私の被災体験』を語る大橋さん  
「私の被災体験』を語る
大橋さん
 

 2)「私の被災体験」として、3・11宮城県石巻市で地震と津波の被害を受け、3月一杯避難所生活、4月から瀬谷区の公営住宅に避難生活を続けている大橋悌一さんが体験発表。90%の確率で宮城県沖地震は来る・・・と言われ続けており、前々日の9日、三陸沖でM7.4、石巻で震度4が発生、神経ピリピリの毎日であったと述べた。非常持ち出しのカバンは用意していたが、歩行困難な妻の連れ出しと、娘の果敢な行動で大きな難を逃れた。近所の人たちとの声掛け合い、まさかと思った津波(自宅は海岸から3Km)に驚いたが、黒い水は腰まできたなど、生々しい状況が報告された。その他、避難所生活の詳細(支援物資・トイレ・医師の支援・助け合いの様子)も資料に詳しく記されていた。注目されたのは、瀬谷区に避難し、何度か防災訓練等に参加したが、「防災パンフ」やそれに類似した物の資料が豊富に揃えられていることに驚いたとの発言。また、避難場所に水・食料が常備されていることも予想外であった。石巻ではここまで無かったと思う。ただ、訓練時には「避難カバン」を持って集まることが必要ではないかとの言葉に、実体験の重みがあった。
  後半は、質疑応答に
  後半は、質疑応答に


 3)横浜市の取組みについて、(元市会議員)松本敏氏から説明。

 4)液状化現象と石油火災について、(神戸の救援活動体験者)小川勉氏が説明。

 5)泉区の体制について、貝沼貞夫(泉区役所防災担当部長兼総務課長)から、詳細に説明があった。特に、横浜市は「阪神淡路型の大都心直下型地震」を想定していること。広域避難場所・地域防災拠点等の説明があった。

 6)質疑応答では、「減災」認識の必要性、情報の統一、防災マップの更新、3・11の区役所内行動の反省等が発言され、緊迫感が感じられた。

 *説明資料として「減災活動のススメ」(横浜市消防局)が使用された。また、歴史の会では、これまでの記録をまとめ、「泉区の災害史〜東日本大震災編」として収録。あわせて「体験資料集」も4月頃には頒布の予定。