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神奈川災害ボランティアネットワーク
三浦半島断層群地震を想定
防災図上訓練

地震と被害予想を説明する山下氏
地震と被害予想を説明する山下氏
 神奈川県(地震被害想定調査委員会)は10年ぶりに、県に影響が大きいと想定される9つの地震による被害想定を昨年3月に公表した。それによると「三浦半島断層群の地震」(マグニチュード7.2)が冬の18時に発生した場合、県の東部から中央部にかけて震度6弱以上の揺れに見舞われ、死者数4,350人、経済被害額40.4兆円という被害が想定される、としている。

 神奈川災害ボランティアネットワークは横須賀市総合福祉会館で、3月27日(土)午前中、県安全防災局の山下氏による「上記調査報告の内容と三浦半島断層群地震における県の被害想定」についての講演を、午後にはこの被害想定をベースに、図上シミュレーション訓練を行った。三浦市をはじめ、横浜市の各区、川崎市、逗子市、葉山町、座間市など県内各地からの防災関係者が参集した。
グループ討議
グループ発表
グループ討議と発表

 山下氏は、県に影響を与える地震とその被害について、@東海地震(マグニチュード8)、南関東地震(M7.9)、南関東直下地震、神縄・国府津−松田断層帯(M7.5)、三浦半島断層群(M7)について、それぞれの特徴、予想発生時期、影響度合いなどについて、詳細な地図を示しながら説明していた。県内には30本の活断層が判明しており、まだまだわかっていないものがある。判明されていなかった断層でも最近、大地震が発生している。
 三浦半島には5本の活断層があり、武山断層帯と衣笠・北武断層帯が今後30年以内に、それぞれ11%、3%の確率で発生する、と見込まれている。活断層における確率で、この%は非常に高いものだ、としていた。

 午後には、参加者を横須賀の2G、逗子・葉山G、横浜・川崎G、その他県内Gの5グループに分け、図上訓練に入った。
 本日10時に三浦半島断層群地震が発生、県の東部から中央部にかけて、震度6弱以上の揺れ、断層の近傍では震度6強に達した、という想定でスタート。それぞれのグループは、発災時、72時間、1週間、1ヶ月後という経過の中で、それぞれの被害イメージ、復旧・復興活動のイメージ、被災者ニーズ、ボランティア・コーディネーターの役割、考えられる課題などに分け、話し合い、討議し、それを大きな紙に直接描いたり、ポストイットに書いたものを張り付けたりしていた。

 各グループの発表では、家屋倒壊、死者・負傷者の多さ、避難者数、帰宅困難者数など被害の大きさに続いて、そういった中で、ボラセンの立ち上げ問題、避難所の不足、食物、水、トイレの確保、自助の大切さなどに、それぞれのグループは触れていた。また、最初の3日間は自助・共助が中心で、その後も情報の重要性、時間とともに変化するニーズ、被害想定をすることで、対策、対応が考えられてくることなども語られていた。