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地域防災セミナー「災害に強くなる知恵と技」 第10回-2 講座
東日本大震災被災者とともに歩んで
「いのち」「くらし」を見据え、中・長期のネットワークでの支援を

 
 
 日本赤十字看護大学と武蔵野地域防災活動ネットワーク主催の今年度第10回講座が2月23日(土)午後、日本赤十字看護大学武蔵野キャンパスで行われた。
 この講座の一つの講演「東日本大震災の被災者とともに歩む」がNPO法人阪神高齢者・障害者支援ネットワーク理事長で日本ホスピス・在宅ケア研究会 副理事長の黒田裕子さんにより行われた。

 阪神大震災から1日も休むことなく、各被災地で被災者に寄り添ってきた。東日本大震災では、発生翌日に被災地に入り活動を開始。活動拠点である宮城県気仙沼市の面瀬中学校の仮設住宅では、黒田さんをはじめ支援ネットワークのメンバーが、この集会所に寝泊まりして、365日24時間、住民の医療・福祉なんでも相談を行っている。向き合う人の多くは高齢者。「阪神・淡路大震災では2年目に孤独死が多くなり問題になった。東日本大震災では同じ悲劇を繰り返したくない。そう考え、仮設住宅の住民一人ひとりを見守っています。将来を悩む住民が増えきており、心を強くし、コミュニティの強化が必要な時期です。」と語る。
 
 少子・高齢社会、地域住民の複雑化・多様化、ニーズの長期化といった状況から、生活基盤を支える地域ケアの必要性、在宅医療の進化が求められている。「その人」に合った支援のためには、産・官・学・民の連携、医療・福祉・保健の連携といった社会・福祉資源、地縁組織などのネットワークが重要になっている。
 その連携を図るに当って、日頃からの備えが何より重要だとして、@地域の中で災害について話し合う(非常持ち出し袋、その時どんな行動?など)、A近所の住民を知る(誰と住んでいる?、いつ出かける/帰る?)、B避難所、救護所の確認(距離、経路など)、C地域の災害対応を知る、などを挙げた。

 今後の課題は、@「いのち」「くらし」を見据えた支援、A多職種の人々による中・長期を見据えたネットワークの構築で、防災・減災を図るため、お互いが支え合う生きた地域社会の構築。豊かな人間関係の中に、豊かな発想が誕生するので、街の未来に向け、「共創社会」を作ろう、と締めくくった。