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地域防災セミナー「災害に強くなる知恵と技」 第5回講座
発災時は、発生が信じ難く、認知するとパニックに
いざという時に慌てない・困らない災害心理

  「地震に備えている人は5%とのデータもある」と語る中田さん
  「地震に備えている人は5%とのデータもある」と語る中田さん
 日本赤十字看護大学と武蔵野地域防災活動ネットワーク主催の今年度第5回講座が12月15日(土)午前、日本赤十字看護大学武蔵野キャンパスで行われた。

 この講座のテーマは、「災害時における人間の反応と危機回避」。講師は、東亜大学及び日本医科大学大学院で災害危機管理論を専門とする中田敬司氏。

 災害、ヒューマンエラーについて、ワークショップを交えながら導入として説明。それらをベースに、災害発生時は、@非日常性、A予想外、B突発、C結果の重大性、D対処時間の切迫性、E自分が対処しなければ、という当事者性が挙げられる。その時の人間行動は、@正常化の偏見(災害時でも普段通りの状況であるとスキーマが働き、事態を楽観視する)で、俄かに信じない状態となる。しかし緊急事態に巻き込まれたと認識した時、Aパニックの状態となる。
情報伝達の難しさを体験  
情報伝達の難しさを体験  

 パニック時の行動特性として、@帰巣性、A退避性、B指光性、C追従性、D左回り(直進)性、E至近距離選択などがある。また注意力の一点集中や思考・記憶力低下・停止、なども。

 各グループ(各6〜7人)の一人に生死に係る台風情報と避難準備についての情報を与え、メンバーに次々と伝え最後の人がその内容を発表するというゲームを行ったが、14グループのうち、生き残れるのは2〜4グループであった。このことから、災害時、緊急時の情報伝達の注意事項として、@伝達目的の明確化、A繰り返し、B目、耳から(手段の多様化)、C伝達プロセスの最小化を挙げた。
 また、パニックの起こりにくい状態にするには、@十分に訓練された集団に、A集団の中に、一定の権力、威厳とヒエラルキーが存在する場合だ、とした。