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地域防災セミナー「災害に強くなる知恵と技」 第9回講座
災害初動期における市民の役割
市民のトリアージが最初の救護者で地域復興につながる

トリアージの意義を解説する山口さん  
トリアージの意義を解説する
山口さん
 
 日本赤十字看護大学と武蔵野地域防災活動ネットワーク主催の今年度第9回講座が2月23日(土)午前、日本赤十字看護大学武蔵野キャンパスで行われた。
 この講座では「災害初動期における市民の役割ー災害時の医療とトリアージ」と題し、ふじよしだ勝和クリニック院長の山口孝治氏による講義とその後トリアージ実習指導が行われた。

 災害発生時には、傷病者が病院に集中する。その結果、健康と命の砦である病院の医療能力は低下してしまう。来院する傷病者には、病院での治療を必要としない、または緊急を要しない多くの人たちが混在する。医療能力を最大限に発揮させ、緊急に治療を必要とする多くの傷病者の命を救い、社会復帰させることは、被災地域復興に必要不可欠だ。

 トリアージとは、救命の可能性の高い傷病者を優先し、今治療すれば助かるといった緊急度・重症度により選別すること。例えば、災害時要援護者を優先し、軽症傷病者を除外する。災害現場の直後には、公的救護は少なく、市民が最初の救護者。市民がトリアージを理解し、実勢するには、関係機関との連携で定期的研修が望ましい。
  この人は、どの群相当かしら、と意見を出し合う
   この人は、どの群相当かしら、
と意見を出し合う

 実習に当って、その方法・手順として、実際現場でT買われているトリアージ・スタート法を紹介。
 1.歩行可能か      可能        → 緑  治療保留/軽症
 2.呼吸(気道確保で)  なし        → 黒 不搬送
 3.呼吸数  9/分以下、120以上/分   → 赤 緊急治療
 4.脈拍触知不可または120/分以上   → 赤
 5.2〜3時間治療遅らせても悪化しない → 黄 待機治療/準緊急

 10名ずつのグループに分け、5人が負傷者、5人がトリアージ実施者となり、負傷者にはそれぞれ負傷内容のカードが渡され、並んで床に横になった。まず、第一印象で、所見順序を決め、その順で意見を出し合いながら所見、具体的な呼吸状況、脈拍等から判定を行った。緊急治療群には赤、準緊急群に黄、治療保留・軽症・非治療群は緑、不搬送群に黒のトリアージカードを負傷者の腕に取り付けていた。