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要援護者にオリエンテーション |
横浜栄・防災ボランティアネットワークは、栄区役所、栄区社協の協力のもと、第5回 災害ボランティアセンター開設訓練を2月27日(土)栄区役所で実施した。小雨の降る天候にもかかわらず、総勢80名が参加した。今回のメインテーマが「要援護者対応 〜障がい者・福祉関係施設・団体とともに〜」ということもあり視覚・聴覚障がい者や車いすの人も参加、さらにそれに対応するための施設・団体・家族の人たちも訓練に参加していた。また区外からは秦野市、逗子市、横浜市泉区からの参加もあり、関心の高さがうかがえるものであった。
実際の発災時には災害ボランティアセンターは栄区図書館に設置されることとなっているが、今回の訓練では栄区役所4階の会議室を拠点として行われた。想定地震は南関東地震で、震源は小田原・秦野直下とその15秒後に三浦半島直下がすべることによるもので、マグニチュード7.9。栄区内の被害状況,、復旧状況、要援護者のおかれている環境や予想される事態は下表の通りを想定されていた。
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情報班の白板 |
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地震発生3日後に、区災害対策本部からの要請に基づき災害ボランティアセンター設置。早速、壁に貼られた会場図に従って机などを並べ替え、ニーズ聞き取り、ボランティア受付、ボランティア募集表ボード、オリエンテーション、情報班など設営された。
実践的活動では、@障がい者活動センターからの依頼で車いす持参のうえ要援護者を、また電動車いすの人を引取り、避難所への移動介助 A避難所からの依頼で、視覚、聴覚障がい者を引取り、特別避難所へ移動介助、B自宅にいる要援護者を確認後、避難所から飲料水を届ける、といった3種の支援を行った。「移動では15分程度と考えていたものが30分もかかった。」「小雨だったこともあったが、道幅、段差なども考慮し、災害時には余裕が必要」、また「誘導・介助者は、障がいについての知識や技術も必要」、さらに「特別避難所内部として、受入れについての心得、訓練が必要」との声も出ていた。
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「防災の心得」を講演 |
情報の受発信では、当ネットワークのメンバーでもあるアマチュア無線資格者が、それぞれ実践的活動に随行し、適時センターの情報班に連絡を入れ、センターではそれらを白板に記入し、全体の動きが見る人に分かるよう作業をしていた。携帯電話が復旧しても、つながりにくい状態での威力を十分発揮していた。
要援護者からのニーズ聞き取りでは、窓口に訪れた視覚、聴覚障がい者や同伴者から、細かく聞き取り、ニーズ表に記入していた。聞き取り役には、「各種障がいの特性についての知識が必要」、「プライバシーに配慮した窓口(机)配置を」などの声が出ていた。また筆談での場面もあった。参加した障がい者からは、発災時に「食事や薬のこともそうだが、誰に、どこへ援助を求めればよいか、が一番不安に感じている」との発言もあった。
また移動訓練などが早めに終了した人たちなどに対し、防災の心得を中心とした内容をパワーポイントを使い講演していた。また隣接の栄区公会堂2階では、家具転倒防止用品の展示や震災映像を放映するなど防災についての啓発ブースも設けられていた。
一方、炊き出し訓練では、米と水をポリエチ袋に1人前分づつ入れ、それを沸騰した大きな鍋の湯に入れ、ご飯を作るとともに、もう一つの鍋で肉・野菜入り汁も作り、合わせて反省会前の昼食として提供していた。
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想定被害状況
1 |
区内の揺れ 震度7,6強、6弱(区内震度分布図による) |
2 |
死者52、重傷者70、負傷者250名 |
3 |
倒壊家屋280、半壊家屋760戸 |
4 |
避難所への避難者数2,800名(各避難所:約150名) |
5 |
今回の移動訓練周辺 バス通りの未開通、他道路陥没
いたち川周辺通行不能、城山橋歩行通行可能 |
災害復旧状況
1 |
即日 全地域防災拠点開設 |
2 |
即日 災害用伝言ダイアル171始まる |
3 |
2日目 建物応急危険度判定開始 |
4 |
3日後 ボランティアセンター開設 ボラは地元関係者のみ |
5 |
7日目 電力復旧(除く一部地域)都市ガス・水道は未復旧 |
6 |
特別避難所:区内19施設のうち、6CP以外閉鎖予定
受入れ再編のため移動・介護などボラ派遣要請 |
7 |
電話・携帯は復旧、つながりにくい状態継続 |
8 |
JR:復旧見込みなし、バス:緊急交通路で臨時運行 |
要援護者の環境・予想される事態
1 |
自宅生活:行動の不自由、水・食料・薬の補給、拠点から物資配送 |
2 |
避難所生活:トイレ、食事、情報入手、プライバシー、周囲の偏見、防寒・防暑 |
3 |
生活面の支援:日常の支援者との連絡、住居・周辺片付け、身内との安否確認・連絡 |
4 |
居場所でのコミュニケーション(意思疎通)困難 |
5 |
自宅・避難所tも精神面のケア |
6 |
医療関係では、主要病院は負傷者で混雑、医療拠点の医師・看護師は極端に不足 |
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移動介助 |
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