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失語症の人とのコミュニケーション
脳機能障害での言語障害を理解し、会話技術と思いやりの心が不可欠
地域で見守り、サポートするボランティア養成講座

講師の金場理恵さん  
講師の金場理恵さん 
 『脳卒中後の後遺症、特に失語症について知らない人が多く、そういった人は仕事や学業を続けることが難しい、自分の障がいを訴えることが難しい、周囲の人から誤解を受けたり、無視されたりする。 病院での在院日数の短縮、リハビリ医療の打ち切りといった現状に加え、介護保険制度の整備不十分なこともあり、在宅失語症者の増加、リハビル難民の増加といった現状がある。

 こういった背景から、『失語症会話パートナー』が求められている。失語症を理解し、不自由なコミュニケーションを補いながら会話ができる人、社会とのバリアを少しでも取り除き、コミュニケ―ション能力向上を支援する人のことです。「失語症の人との会話パートナーになるためには、正しい知識、適切な会話技術の加え、『思いやりを持った心』が必要」と話すのは、YAC(横浜失語症会話パートナーを養成する会)の言語聴覚士 金場理恵さん。
  受講風景(多目的研修室もいっぱいに)
   受講風景(多目的研修室もいっぱいに)


 NPO法人中途障がい者地域活動支援センター元気かい泉、泉区役所高齢支援課、泉区社会福祉協議会ボランティアセンター主催の『言語聴覚士から学ぶ〜こころの声を聴くこコミュニケーション講座〜』の第1回 『高次脳機能障害とは?』として、「失語症などコミュニケーション障がいを知ろう」が、2月25日(金)、泉ふれあいホームで開催された。

 こういった障がいを持った人は、「うまく話せなくとも聞いてもらえる人」「自分の存在を認めてもらえる場」「支えてくれる人がいる」「楽しい時間が持てる場」といったことを求めている。一方コミュニケーションを取る上で、障がいによる状態、例えば単純ミスを起こす、見えていても見えていない、記憶力低下で約束を覚えていないなどの機能低下を理解しておく必要がある。すなわち、脳の言語中枢が損傷され、言語の能力に障害が残ったため、音は聞こえているのに、意味が理解できないなど『聞いて理解する』ことが難しい。言いたいことが浮かんでこないなど『話すこと』が難しい。
二人1組で、互いにロールプレイ  
二人1組で、互いにロールプレイ  

 
 その人の人格、感情表現、状況判断、社会的礼節、出来事の記憶、時間・場所の感覚などは病前と同じように保たれているため、子ども扱いしない、会話は落ち着いた雰囲気で、お互いの表情が分るような位置や視線で、といった基本姿勢が求められる。

 発音が正しくできないだけで、聞く、書く、読解については支障がない構音障害と読む、書く、話す、読解すべての機能で支障が出る失語症の違いと、それぞれに対する接触、会話の上で取るべき行動をビデオや二人一組になってのワークを行っていた。そして、どのようにしたらコミュニケーションが成り立つのかを、繰り返していた。

 この講座は、3回のコースで、第2回は3月10日(木)に『言語障害のある人との接し方とコミュニケーションの取り方:会話技術を学ぼう』、第3回目は3月18日(金)『身近な活動先やリハビリグループの紹介とボランティアの手引』が同じ泉ふれあいホームで開かれることとなっている。