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シュシュを作りながら、ヒヤリハット体験談 |
7月8日、泉区子育て支援拠点「すきっぷ」にて「シュシュを作って被災地に送ろう」が開催された。子育て中の保護者も東日本大震災で甚大な被害を受けた方々に何か支援をしたい、と思っているが、毎日子育てに追われるお母さんたちが具体的な支援活動を行うことは難しい。そこで子どもの事故予防ボランティア“Safety
Kids いずみ”と泉区子育て支援拠点「すきっぷ」は、日頃「すきっぷ」を利用しているお母さんたちにシュシュを手作りしてもらい、それを被災地に送る機会を設けることになった。
シュシュは、あらかじめ8センチ程度の長さに切られた生地を髪用の輪ゴムに結び付けて作る。はさみも糸も使わずに作れるので小さい子どもがそばにいても安心だ。参加者は思い思いに好みの色や柄のリボンを選び、楽しそうにシュシュを作っていた。
シュシュを作る間、Safety Kids いずみから参加者に「自身が体験した子どもの事故」についてのヒアリングが行われた。毎日の子育ての中で経験した子どもの事故やヒヤッとしたことを共有することで次の事故を防ぐことが目的だ。参加者からは「暑い時期アルミ製の窓枠が熱くなっており、子どもが足を乗せてやけどをしそうになった」、「友達の家に行ったら座椅子があり、子どもが珍しがって座椅子を前後に揺らして遊んでいたら勢いあまって前に倒れ、ガラステーブルの角で前歯を折ってしまった」、「幼稚園の帰りに飴をやり取りするのが流行っている。飴は喉に詰まらせやすいので自宅では与えていないが、そういうときはどうしても食べてしまう。詰まらせないか心配。」、「冷凍庫から出したばかりの氷菓子を食べようとして唇に当てた途端、唇から離れなくなってしまった。無理にはがしたら皮膚も少し取れてしまった。」、「網戸にもたれかかっていたら網戸ごと庭に落ちてケガをした。」といった事例が報告された。集まった事例はSafety Kids いずみが作成中の「みんなで作る子どもの事故予防カレンダー」に採り入れられる予定。
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転びそうになったら手を出して頭や顔
を守る能力は実は誰もが持っています |
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アドバイザーとして参加していた理学療法士の稲坂恵さんは、それぞれの事例についてその原因と対処法をコメントし、「事故予防のポイントの一つは、子ども自身が大ケガにつながらないような身体の使い方を覚えること。転びそうになったら手を出して頭や顔を守る能力は実は誰もが持っています。」と話した。また、「もう一つのポイントは、それぞれの住まいを再点検し、転んだりぶつけたりする要素をあらかじめ取り除いておくこと。そして子どもの危険な場面に遭遇しても慌てず穏やかに対処することです。スーパーボールのようなものを口に入れているところを見つけたお母さんが『何やってるの!』と大声を出し、びっくりした子どもが息を吸い込んでスーパーボールが喉に詰まってしまった、という事例もあります。」と話していた。
完成したシュシュは自宅に持ち帰ってもよいことにしていたが、「作り方がわかったので自分用は自宅で作ります。ここで作ったものは全部被災地へ送ってください。」と言う参加者が多く、全部で30個のシュシュが被災地に送られることになった。シュシュは「くらしまちづくりネットワーク横浜(事務局:横浜市市民活動支援センター)」を通じ、岩手県大槌町に送られる。
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