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難関乗り越え  見事に介護福祉士資格を
「恒春ノ郷」のフィリピン女性に笑顔
大事なのは  寄り添う心

最初はまだ硬い表情のべバリーさん(右)と草野さん
 最初はまだ硬い表情のべバリーさん(右)と草野さん
   落ち着きと聡明さを感じさせるサジューガ ベバリー  エスピノサさん。フィリッピンから2009年5月に来日。経済連携協定(EPA)に基づき、外国人看護師・介護福祉士の日本での国家資格を取得する目的で来日。母国ではそれなりの資格を持つ彼女らも、日本での資格取得には様々な難関がある。
  
  ベバリーさんは協定に則り、受け入れ先の恒春ノ郷(泉区西が岡)で就労・研修をしつつ取得を目指してきた。一度受験に失敗したが挫けず、今年の春、第26回介護福祉士国家試験に見事合格! 再受験者の中では、フィリピン人52名の内は合格者はなんと6名だけ。日本語を勉強しても、さらに難解な専門用語 。介護に対する国の考え方の違い。例えば、平均寿命の短い東南アジアは、老年看護については多くを学んでいないという。

  ベバリーさんの指導をされている草野さんは「彼女の頑張りには頭が下がります」という。またベバリーさんも「周りの皆さんのお陰」と何度も発言した。厚生労働省は、いろいろ議論される資格試験に対し、問題文の漢字すべてに振り仮名を付け、制限時間も延長したが、結果的には介護福祉士合格率は下がったそうだ。

  日本の介護士の不足は2025年には90万人という。中国・韓国でも高齢化は進み、優秀な介護・看護人材不足は国際的な争奪戦になるという。インドネシア・フィリピンに加え、ベトナムからの受け入れも決まったようだが、上から目線的な現状では、せっかくの人材が「日本でなくても・・・」ということになりかねない。
名前もみんな覚えているという入居者にやさしく介護するべバリーさん名前もみんな覚えているという入居者に
やさしく介護するべバリーさん
 

   母国では、フィリピン大学を卒業し栄養士の資格も保有する中、銀行に勤め、勤務後日本語の勉強に取り組んだ。日本を選んだ理由は?と質問したら、「近い・安全・安心」それに「おもてなし」の心があるからという。休みが日曜日には教会に、たまには友人と街にでて食事が楽しみ・・。これからの目標は?「勉強を続け、優しい介護士を目指したい」と瞳を輝かせる。

   資格が取れて、夜勤も可能でますます期待しています(草野さん)。利用者さんとは?「家族みたいで、みんな優しい。寄り添う心が一番大切。国の違いはありません!」ときっぱり。名前は全部覚えていますよ!と、語る。

   資格を取っても帰国してしまう人が多いそうだ。ベバリーさんのような人材を失わないように、行政も取り組んでほしい。幸い神奈川県は受け入れに積極的との報道もある。

  来日して初めての里帰り・・、今夏が楽しみ!ご両親兄弟と!  うれしそうな笑顔。(M/I)