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拡大写本 れんげの会 |
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平成18年10月10日(火)午後、泉ふれあいホームで泉区ボランティア連絡会主催の泉区ボランティア交流会が開かれました。そこで、事例研究として『拡大写本 れんげの会』代表の渥美みどりさんから、同グループの活動紹介がなされました。その内容をご了解を得て、ここに掲載したものです。
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事例発表する渥美さん |
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今年で16年に
「拡大写本 れんげの会」は、弱視児を持つ1人の母親の思いからスタートして、今年で16年になります。
彼女はわが子だけでなく、後に続く多くの弱視児童のためにも、拡大写本を広く知ってもらい、拡大教科書を提供していけるようにしたいとの熱い思いから、泉区社会福祉協議会に働きかけ、二俣川にあるライトセンターの赤十字支援グループの指導を頂き、16年前に第1回拡大写本講座が開催されました。そして講座終了後に受講者20名ほどで「拡大写本 れんげの会」がスタートしました。
講習会開催で担い手確保
初年度は小学3年生・7教科だけの制作でしたが、全員が試行錯誤の手探り状態でした。手書きでコツコツ書いていく根気のいる作業です。主婦の集まりのために諸事情で退会していく方も多く、担い手確保のため以後2回・3回・4回と講習会を開き、今回10月5日から5回目の講習会を開いている最中です。
10年ほど前から男性陣が入会するようになりパソコン制作が始まりましたので、中・高校生などの依頼にも対応できるようになりました。 年月を重ねていくごとに全国からの依頼も入って来るようになりました。
拡大教科書無償化により全国から制作依頼多く、お断りしている状態
2年前からは、文部科学省の拡大教科書無償化により認知度も上がり、北海道から九州まで、全国から制作依頼がくるようになりました。本年度は上巻として、80名分33教科書(分冊にしますと528分冊)を子供達に送りました。
*拡大教科書は字もイラストも大きくなりますので、普通の教科書の1冊が4、5冊から高校生用位になりますと10何冊にも分けることになります。
下巻として13名分12教科書(114分冊)を現在制作中です。現在の会員32名では、これが精一杯で、心苦しく思いながらも他の依頼にはお断りしている状態です。
他に問題集・ドリル・物語などを制作しております。物語はズッコケ3人組シリーズで、これは泉図書館に寄贈しておりますので、図書館に行かれた時は2階の大活字本の所をのぞいてみてください。
弱視についてご存じですか
ところで皆さんは弱視についてご存じでしょうか。近視や遠視・老眼は眼鏡・コンタクトを使えば矯正することができますが、弱視は眼鏡・コンタクトを使用しても視力が十分に出ない状態といわれています。一般的には0.3以下とのことです。弱視の方の見え方は千差万別で個人差が激しく、また、いわゆる視力以外にも視野狭窄と言って、物の見える範囲が狭い状態や、明るい時に比べて暗くなると極端に見えにくくなったり、まぶしいのが苦手など他の症状を合わせ持っている人も多数います。
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上 ⇒ 下 に 拡大します。 |
拡大写本はそれぞれ児童・生徒1人1人に
合わせた文字の大きさ・色・体裁に
ですから、拡大写本はそれぞれ児童・生徒1人1人に合わせた文字の大きさ・色・体裁にしなくてはなりません。先ほどのまぶしいのが苦手なお子さんには白黒反転の拡大写本を、縦書きの国語であっても依頼が横書きであれば横書きで作ります。かくいう私も、全く同じ教科書を2人の子供のために用紙のサイズを変え、文字の大きさを変え、レイアウトを変えて、他の会員の方と手分けして2通りの拡大写本を作っております。
活動日は毎週金曜日10〜12時、作業は自宅で
なお、活動日は毎週金曜日10〜12時で、8月・年末年始はお休みになります。実際に字を書いたり、パソコンで制作したりすることは各自が家庭で行います。(会員はこれを宿題と言っております。)この宿題を活動日に持ち寄り、レイアウトの検討・校正・製本などをします。授業の進行に間に合わせる為に午後の活動をすることもあります。
我々の会も社会福祉協議会を始め、会場をお借りしている図書館や色々な方々のご厚意ご援助でここまでやってくることができました。
お礼状に会員一同大変力づけられます!
また、拡大写本を送った児童・生徒さんや親御さんからのお手紙には会員一同大変力づけられます。お礼状の1つを紹介したいと思います。
『拡大教科書を使って1年。友達の家庭科の本は、とても小さい字が多くて読みにくいのに、ぼくの本は字が大きいので、とても読みやすかったです。目がつかれませんでした。読んでいったら、みなさんが、ぼくのためにがんばって作ってくださっているということがよくわかりました。だからぼくも勉強やスポーツをしっかりがんばります。できれば来年も拡大教科書を作ってください。よろしくお願いします。』
これらのお子さんの気持ちを胸に、会員一同これからも頑張っていきたいと思います。
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