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子どもの事故予防講座 No.1
『子どもの事故』 を減らすため子育て支援者にできること
川崎市市民・こども家庭課主催、企画・運営Safety Kids いずみ”

講師の山中龍宏氏   
講師の山中龍宏氏  
 「これまでの子どもの傷害は、親の責任や不注意とされてきた。したがって、それに対する指導は “気を付けて”、“目を離さないで”、といった具体性のない指摘であり、傷害が起きてからの処置としての応急処置・治療・リハビリです。それでは傷害の発生頻度は一向に変わりません。同じような傷害は日本中で毎日起きています。予防原則の考え方を、社会に広め、個人、行政、メーカーなどが一体となって、使用環境や製品の改善を進める必要があります。」と語るのは、日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会委員長や産業技術総合研究所デジタルヒューマン研究センター子どもの傷害予防工学カウンシル代表などを歴任している山中龍宏 ・緑園こどもクリニック院長。

 川崎市子育て支援者向け「子どもの事故予防連続講座」の第1回「子どもの事故を防ぐ」が、2月8日(水)、川崎市市民・こども局主催、企画・運営 “Safety Kids いずみ”のもと、中原歯科保健センターで開かれた。講師は山中氏。

 わが国では事故は「accident」と捉えられているが、語源は予測できない、避けられない、ということのようです。しかし、事故は予測でき、予防可能ということから「injury」である。子どもの事故は予測ができる、予防可能であると意識を変える必要があります。
  「子どもの事故予防連続講座」第1回
  「子どもの事故予防連続講座」第1回

  ほとんどの親は「まさか、うちの子に限って」、「私が気をつけているから大丈夫だ」と、決して自分の子が事故に遭うとは思っていない。しかし、重症度が高い、危険な事故に遭遇するかもしれない、と意識を変えてもらうよう、活動する必要がある。
 世の中は「便利さ」を追及し、新しい製品が出回ると、新しい傷害が発生し、子どもの障がい率が上昇する。社会の安全のためには、「不便さ」も必要だ。

 企業に対し問題提起しても、使用法が間違っている。取扱説明書に書いてある通りに使用しないのは使用者の責任、と言われてしまう。予防のための解決には、事故の具体的内容を伴ったデータの集積が必要ですが、わが国には原因別死亡数はあるが、具体的内容が伴わないし、傷害となるとデータすらない。ぜひ皆さんも、傷害の情報を採り上げ報告してほしい。
 
 個人の責任だけにしていては子どもの事故は解決しない。社会全体の意識を変えないとダメ。傷害に関連した人が声を上げ、原因を追究し、行政、製造メーカーも巻き込み、安全知識循環システムの輪を回し、事故予防社会の実現が理想だ。科学的な傷害予防が真の育児支援だ。
 重症度が高い傷害を繰り返さないため、傷害の事実を正確に記載し、専門家がそれにコメントしている日本小児科学会サイト「傷害注意速報」をぜひ参考に見てほしい、と結んだ。